◆マセラティモデナ最新事情&マセラティクラシックの相場感◆

マセラティモデナ 最新事情

モデナ工場はグラントゥーリズモとグランカブリオのフル生産が始まっています。いままではアルファロメオ4Cの製造がメインであった製造ラインにも再び活気が溢れてきたようです。ショールーム(こちらは誰でも入場可)もリニューアルが行われ、各種カスタマイズのシミュレーションを行うブースが新設されています。メインのディスプレィスペースにはパニーニ・マセラティミュージアム所有の6CMが鎮座。現在はファクトリーツアーのガイドを担当する旧知のマニカルディ氏と昔話に花咲くひとときでした。ちなみに彼はかつてのマセラティ海外マーケティング・マネージャーで、1960年代オルシ家時代からのマセラティヒストリーを知る数少ない人物。ファクトリーからは工場出荷前の一般路走行テストを行うグラントゥーリズモ達がひっきりなしに出入りしていました。     マセラティクラシックの相場感 先だってもご紹介した8月中旬に行われる北米モントレーカーウィーク(ペブルビーチ・コンコースなど)。この期間中に開催されるオークションの結果で、世界のクラシックカーの相場が決まります。さらに9月にもヨーロッパを中心に大きなオークションが多く行われ、その動きは相場に大きな影響を与えます。それではマセラティのクラシック市場の現状はどんな感じなのでしょうか?   1964 Maserati 5000 GT Coupe by Michelotti Sold for $1,017,500   1959 Maserati 3500 GT Spyder by Frua Sold for $605,000   1974 Maserati Bora 4.9 Sold for $187,000   1962 Maserati 3500 GTi by Touring £150,000 - £180,000 (売買成立せず)   1964 Maserati Sebring 3500 GTi Series I by Vignale £200,000 - £250,000 (売買成立せず)     幾つかの個体をサンプルとしてあげてみました。5000GT3500GTスパイダーはマセラティ史上でも有名なワンオフカーであり、高い注目を集めました。しかしレース仕様の3500GTとセブリングは落札されませんでした。落札されたボーラは走行距離が少なく、ヒストリーがしっかりしているので、アベレージコンディションにもかかわらず、かなり注目を集めましたクラシックカー相場全体としては3年前のピークと比較すると史上はかなり落ちついているといえるでしょう。 あまり特徴のないモデル、特に程度の悪い要レストアのモデルは余程のレアものでない限り、オークションでは動かなくなっている。この傾向は明確です。マセラティのクラシックはフェラーリ等のような投機的な思惑で売買されることは少なく、ごくレアなコンペティションモデルを除いては比較的冷静な価格です。ただ、現オーナー値上がりを見越してここ2~3年間は売り控えの傾向にありました。私も並程度のギブリを話がまとまる直前でオーナーが売買をキャンセルし、おそらく様子見を行ったという実例を目の当たりにしました。しかしこのところそういったクラスの個体(並程度)のオーナーがしきりに売りたいと言って来ているのです。これから比較的手頃なマセラティのクラシックが市場に出回ってくるのではないかと私は予想しています。 しかし、考えなくてはならないのは、レストアに関するコストがどんどんと値上がりしているということです。今や500万円くらいちょっとしたボディレストアでも掛かってしまいます。安いからといって飛びつくと、結果的にはあまりよい結果が待っていなかったりもするので要注意です。    

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